公演期間:2023.5 - 2024.3
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みにみに劇場vol.1五味太郎
こぎつねコンとこだぬきポン
つばき山のこぎつねコンはお母さんと、すぎの木山のこだぬきポンはお父さんとまだ小さい弟のポコと暮らしていました。あそぶのはいつもひとりぼっち。
「ともだち欲しいなぁ…」そんなコンとポンが、ある日とつぜん谷を隔てて出会いました。「ともだち…」「ともだち!」やっと出会えたともだちに、ふたりは大喜び。家に帰って母さん父さんに知らせよう「ともだちできた!」って。
ところが、母さんも父さんも大あわて。「だまされてはいけません…」
******「こぎつねコンとこだぬきポン」への想い 脚色・演出 星野 毅******
この作品は、松野正子さんの絵本を、1984年に戯曲化して以来、何回も再演を重ねてきました。私はこの作品を、大きな舞台の人形劇ではなく小回りのきく人数で、一人でも多くの皆さんに観て頂きたいと脚本を書きました。実は松野さんに上演権を頂くまでには、多少の時間を要しました。何しろ子だくさん同士の原作を、きつねは母子家庭、たぬきは父子家庭という設定で脚本を書いたことから、松野さんの戸惑いは大いに分かりました。しかし、私は、絵本の主題である、偏見や差別についての問題に大いに触発され、多くの子どもたちに観せたいとお願いし、承諾を得ました。
さて、現代の世界はどうでしょう。松野さんや私達の願いも虚しく、偏見や差別が人種、民族、宗教など止まることなく広がり、今も世界の何処かで、尊い人の命が失われています。この作品を通して今一度、人間にとって、争いのない平和な世界への構築を考える良い機会であると考えています。
◆原作/松野正子(童心社刊)
◆脚色・演出/星野 毅
◆美術/人見順子
◆音楽/堀井勝美
◆照明/阿部千賀子
◆音響効果/宮沢 緑
みにみに劇場vol.1五味太郎
ちいさくともきらりと光る作品をお届けする「みにみに劇場」。自由でユーモラスな絵本作家・五味太郎の世界をお届けします。心がクスッとゆれ、ポッとあたたかくなる人形劇をお楽しみください。
******心がふんわり、平和な世界 演出 岡本和彦******
私と同世代の五味太郎さん。「おじいさんのつえ」「でんわでおはなし」「はやくあいたいな」を食い入るように見つめ、その発想と世界作りに脱帽し、血気盛んな、その頃の私は、不遜にもライバル的な悔しさを噛み締めたものです。
特に「いっぽんばしわたる」は五味さんの着眼点が冴えわたる作品です。「いっぽんのはし」と「動物たちの特性」で楽しさ、面白さを引き出す技がすばらしい。「ぴょんぴょんわたる」「はらはらわたる」「わざわざわたる」と絵本の中で表情が満ちあふれていますが、「人形ボードビル」でお見せするには、ほんの少し物語りが加わります。可愛い一輪の花が登場します。川向こうの花に動物たちは一目で心を奪われてしまいますが、なんとしても「いっぽんばし」を渡らねば…と、はらはら、どきどきの物語りが始まります。絵本での楽しさと違って、人形劇では子どもたちは登場する動物たちと同化して、まるで自分が橋の上にいるかの様に一生懸命応援します。ハチのようにぶんぶんと飛んで、橋を渡らないで花に近づく「ずる」は許しません。そうやって一生懸命なもの同士はとても仲良しになれます。子どもたちも動物たちも、うれしさが何倍にもなってとても幸せです。それは「花」も「橋」も羨むほど…ですが、さて、このお話の終わりでは…?
ここに登場する動物、植物、昆虫、魚はみんな仲良しになれて、心がふんわりと平和です。私たちを取り巻く世界がこうあると良いですね。
◆原作/五味太郎(絵本館刊)
◆脚色・演出/岡本和彦
◆美術/佐久間弥生
◆音楽/吉川安志
◆照明/阿部千賀子
出演者
市橋亜矢子、有田智也、前田佳奈英、勝二春陽公演要項
●上演時間/みにみに劇場vol.1五味太郎:約20分、休憩15分、こぎつねコンとこだぬきポン:約45分 計:約1時間20分
●班編成/キャスト4名、スタッフ1名、計5名
● 仕込み、ばらし/仕込み3時間、ばらし1時間(会場条件による)
●舞台/舞台幅7.2メートル /奥行き4.5メートル/天井高さ3.6メートル
●電源12KW(単相三線60A) 暗幕設備必要
●楽屋/2部屋以上
●運搬・移動/2トントラック1台:2名トラック移動、他公共交通機関利用
●上演料/1ステージ 400,000円、2ステージ 600,000円(税抜)
(別途経費がかかります)